仕事をしながら資格の勉強をするのは、思っている以上に大変です。会社から取るように言われた資格なら、なおさら「期限までに合格できるだろうか」「落ちたら評価に響くのでは」と気が重くなることもあるでしょう。
現場の仕事をしている人は、夜勤やシフト、残業で生活のリズムが一定せず、決まった時間に机に向かうこと自体が難しいこともあります。勉強から何年も離れていれば、何から手をつければいいのか分からないのも当然です。この記事では、会社から資格取得を求められた人が、仕事を続けながら合格を目指すための考え方と、現場の資格に合った講座を紹介します。
不安なときほど、最初に会社に聞いておきたいこと
資格を取るように言われると、「とにかく早く勉強を始めなければ」と焦ってしまいがちです。ただ、テキストを買う前に、上司や人事に一度確かめておくと安心なことがあります。
ひとつは期限です。「来年度中」と言われていても、試験は年に1〜2回しかないことが多く、実際に受けられる日はかなり限られます。申し込みの締め切りがいつなのかが分かるだけで、「いつまでに何をすればいいのか」がはっきりし、漠然とした不安は小さくなります。
もうひとつは費用です。受験料や講座の受講料を会社が補助してくれたり、会社が指定した講座を社内教育として受けられたりすることがあります。国の人材開発支援助成金を使って、社員の講座費用を負担している会社もあります。自分で申し込んでから補助の対象外だったと分かると残念なので、先に聞いておくと安心です。
現場で働いてきた経験は、ちゃんと強みになる
「勉強は久しぶりだし、若い人の方が覚えも早いだろう」と心配している人もいるかもしれません。けれど、現場の資格には、実際の作業や経験が問われる部分が少なくありません。毎日の仕事で身につけてきた手順や感覚は、机の上だけで勉強してきた人にはない強みです。職場の先輩や、すでに資格を持っている人にコツを聞けるのも、会社から資格取得を求められた人ならではです。
その一方で、用語や計算、法令などの知識を問う試験は、仕事ができていてもつまずきやすいところです。現場では意識しない内容も出てくるので、「実技はなんとかなりそうだけれど、筆記が心配」という人は、筆記の方から少しずつ手をつけておくと、気持ちが楽になります。
一人で進めるのが不安なら、講座に頼ってもいい
独学は費用がかからず、自分のペースで進められます。ただ、何年も勉強から離れていると、どこから手をつければいいのか、どこまでやれば合格できるのかが分からず、テキストを開いたまま止まってしまうこともあります。
そんなときは、講座に頼るのもひとつの方法です。試験に合わせたテキストや講義があれば、学ぶ順番に迷わずに済みます。提出期限や講義の日程があることで、仕事が忙しい時期でも勉強が止まりにくくなります。会社が講座を指定している場合や費用の補助がある場合は、なおさら検討してみる価値があります。どの講座が合うかは、求められている資格の分野によって変わります。
技能検定や社内教育ならJTEX
製造や設備保全の仕事で技能検定を求められた人には、JTEX(日本技能教育開発センター)の通信教育が向いています。JTEXは、職業能力開発促進法に基づく職業訓練法人で、1971年の設立以来、製造業を中心に多くの企業の社内教育や、社員の自己啓発に使われてきました。会社から講座を指定されて、名前を知っている人もいるかもしれません。
機械保全などの技能検定については、実技試験対策のセミナーや動画学習が用意されています。また、国から認定を受けた技能士コースでは、通信教育とスクーリングで学び、修了すると技能検定の学科試験が免除されます(3級は免除の対象外です)。筆記に不安がある人にとっては心強い仕組みですが、コースごとに募集の時期が決まっているので、受けたい試験に合わせて早めに確認しておくと安心です。簿記や宅地建物取引士など、事務や管理の仕事に関わる資格の講座もあります。
建設・電気の国家資格なら能セン
施工管理技士や電気主任技術者など、建設・電気分野の国家資格を求められた人には、資格合格支援スクールの「能セン」が選択肢になります。第三種電気主任技術者(電験三種)や、1級・2級の土木・建築・電気工事・管工事施工管理技士など、建設や設備の現場で必要とされる資格に絞った講座を開いています。
受講は通学とオンラインから選べるので、平日は仕事が忙しい人でも、土日の通学や自宅での動画学習で進められます。講師は建設・電気・設備業界で働いてきた現役や元の技術者で、テキストの知識だけでなく、現場での経験を交えて教えてくれます。現場を知っている人から教わることで、試験の内容が自分の仕事とつながって見えてくるのも、働きながら学ぶ人にはありがたいところです。模擬試験も用意されています。
電験三種は計算問題が多く、数学に苦手意識がある人がつまずきやすい試験です。能センには、電験三種に必要な電気数学を基礎から学ぶ講座もあるので、「計算はもう何年もやっていない」という人も、ここから始めれば取り組みやすくなります。
忙しい毎日の中で、勉強時間をどう作るか
夜勤や残業がある人にとって、「毎日1時間勉強する」という計画は、最初から無理があることも多いものです。疲れて帰った日に勉強できなかったからといって、自分を責める必要はありません。1日ごとではなく1週間の中で勉強する時間を考え、夜勤明けや残業の多い日は休むと決めておく方が、結果的に長く続きます。
用語や計算の確認は、休憩時間や通勤時間のような短い時間でも進められます。テキストを開いて腰を据えて取り組むのは休みの日にして、短い時間は覚えたことの確認に使う。そのくらいの気持ちで始めても大丈夫です。
家族がいる人は、試験の時期と勉強したい時間を早めに伝えておくと、家の中でも協力を得やすくなります。一人で抱え込まず、職場の先輩や家族の力を借りながら進めていきましょう。
仕事をしながら勉強時間を作る方法は、こちらの記事でも紹介しています。
仕事をしながら勉強を続けるには?AI・スマホを使った社会人の時間管理
まとめ
会社から資格を取るように言われると、仕事の忙しさと試験への不安が重なって、気持ちが重くなるものです。まずは期限と費用の補助を確かめ、受けられる試験日から逆算してみてください。それだけでも、何をすればいいのかが見えてきます。
現場で積み重ねてきた経験は、資格の勉強でも必ず生きてきます。一人で進めるのが不安なら、技能検定ならJTEX、建設・電気の国家資格なら能センというように、求められている資格に合った講座に頼るのもひとつの方法です。会社からの指示を、これまでの経験を形にする機会として、前向きにとらえてみてください。

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